2026年8月1日確認|令和8年度診療報酬改定
生成AIを入れただけでは足りない―令和8年度診療報酬改定の確認点
所定条件下で示されたのは、医師事務作業補助体制加算の人員配置を柔軟に計算する仕組みです。製品の契約・導入だけで要件を満たすわけではありません。
最初に確認:制度の直接の対象は、医師事務作業補助体制加算を届け出る保険医療機関です。介護事業所の介護報酬や人員基準へ、そのまま適用される制度ではありません。
何が変わったのか
厚生労働省の令和8年7月27日版「医科全体版」では、所定の条件を満たす場合、医師事務作業補助者の実配置数を、人員配置基準の計算上1.2人または1.3人として扱う見直しが説明されています。これは診療報酬の点数や補助金の倍率ではなく、人員配置を計算する際の換算です。
1.2人換算
生成AIを活用した医療文書等の文書作成補助システムを導入し、示された全要件を満たす場合。
1.3人換算
上記の生成AIに加え、音声認識、RPA、患者説明動画等のうち少なくとも一つを広く活用し、示された全要件を満たす場合。
新規届出では、換算を使わずに3か月以上基準を満たすことなど、導入以外の条件もあります。個別の算定可否は、最新の正式通知、施設基準、届出様式、訂正履歴をそろえて確認する必要があります。
現場が最低限確認したい5点
- 利用実績:疑義解釈では、生成AIまたは音声認識の「組織的・日常的な活用」について、医師または医師事務作業補助者の半数超が週1回以上使用することが示されています。
- 研修:機能だけでなく、正確性・信頼性、バイアス、透明性、説明責任などのリスクと対応策を扱います。概ね年1回と必要時に行い、日付、参加者、内容を記録します。
- 安全管理:電子カルテ等と連携して医療情報を扱う場合は、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインなど、該当する最新版を確認します。
- 人による確認:AIの出力をそのまま確定せず、担当者が原資料と照合し、最終判断・承認を行います。これは制度文言そのものではなく、誤生成を前提にした実務上の安全策です。
- 継続評価:概ね年1回、医師の事務作業時間や負担感などを評価し、必要な対応を行います。
患者情報の扱いは、構成ごとの確認が必要
患者情報を扱えるかは、製品の契約、電子カルテとの接続方法、保存・二次利用、アクセス制御、操作ログ、院内承認などで変わります。「生成AIだから一律禁止」と単純化せず、個人情報保護と医療情報システム安全管理のルールに照らして確認します。
先に共有したい安全線:院内承認を受けていない一般向け生成AIへ患者情報を入力しません。入力可能な情報、禁止情報、出力確認者、事故時の連絡先を、利用開始前に決めてください。
公式資料と今後の確認先
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について 医科全体版」(令和8年7月27日版)
- 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その2)」(令和8年4月1日)
- 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版」
- 個人情報保護委員会「医療・介護関係事業者向けガイダンス」
- 経済産業省・総務省「AI事業者ガイドライン 第1.2版」
厚生労働省の改定ページには、2026年7月30日にも訂正と疑義解釈資料が追加されています。準備を始めた時点だけでなく、届出前にも更新履歴を確認してください。
本稿は2026-08-01時点の一般的な情報整理です。個別医療機関の算定、届出、法務、医療上の判断は、最新の通知・様式を確認し、院内担当部署、地方厚生(支)局、専門職等へ確認してください。

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