業務効率化!プライバシー&セキュリティを大事に大事に

AIと作業療法

🏥 作業療法士のための「完全オフラインAI活用術」完全ガイド

個人情報を守りながら、リハビリプログラム作成を50%効率化する方法

  1. 📖 はじめに:なぜ今、オフラインAIなのか
    1. この記事の対象読者
    2. この記事でわかること
  2. 🔒 第1章:なぜ「オフラインAI」が医療現場で重要なのか
    1. 1-1. クラウドAI(ChatGPTなど)の問題点
      1. 具体例:こんな使い方は完全NG
      2. ❌ 危険な例
      3. ✅ 安全な例(オフラインAI)
    2. 1-2. オフラインAI(Ollama)の3大メリット
  3. ⚙️ 第2章:Ollamaの導入方法(初心者向け完全ガイド)
    1. 2-1. 必要なPCスペック
    2. 2-2. Ollamaインストール手順(10分で完了)
      1. 公式サイトにアクセス
      2. OSに合わせてダウンロード
      3. インストール実行
      4. インストール確認
    3. 2-3. AIモデルのダウンロード(10分)
      1. 推奨モデル:Llama 3.1(8Bパラメータ)
  4. 💼 第3章:実践!作業療法プログラム作成の自動化
    1. 3-1. 基本的な使い方
    2. 3-2. 【実例1】基本動作訓練プログラムの生成
      1. 入力例(プロンプト):
      2. 出力例(AIの回答):
    3. 3-3. 【実例2】上肢機能訓練プログラム
      1. 入力例:
      2. 出力例:
    4. 3-4. プロンプト作成のコツ
  5. 🔧 第4章:応用テクニック
    1. 4-1. Python連携で自動化レベルを上げる
      1. 【実例】Pythonスクリプトで自動プログラム生成
    2. 4-2. バッチ処理で複数患者を一気に処理
    3. 4-3. 評価レポート自動生成
      1. プロンプト例:
      2. 出力例:
  6. 🔐 第5章:個人情報保護の実践
    1. 医療現場で守るべき3つの原則
    2. 原則1:完全匿名化
      1. ❌ NG例
      2. ✅ OK例
    3. 原則2:データ保管期限
    4. 原則3:アクセス制限
  7. ❓ よくある質問(FAQ)
  8. 🎓 まとめ:AIは作業療法士の「時間を生み出すパートナー」
    1. この方法で得られる3つのメリット
    2. 最も大切なこと
  9. 🚀 今日から始める最短ルート
      1. 1. Ollamaをインストール(10分)
      2. 2. モデルをダウンロード(10分)
      3. 3. テスト実行(5分)
      4. 4. 実践(翌日から)

📖 はじめに:なぜ今、オフラインAIなのか

「ChatGPTで作業療法プログラムを作りたいけど、患者情報をクラウドに送るのは怖い…」

そんな悩みを抱える作業療法士のために、完全無料・完全オフラインで動くAI活用法を解説します。

この記事の対象読者

  • 病院・施設で働く作業療法士
  • 訪問リハビリを担当している方
  • 個別プログラム作成に時間を取られている方
  • 個人情報保護とAI活用を両立したい方

この記事でわかること

項目 内容
🛠 技術 Ollama(完全オフラインのローカルAI)の使い方
💰 コスト 完全無料(月額0円)
⏱ 効率化 プログラム作成時間を50%削減する実践例
🔒 安全性 個人情報保護法に完全準拠する方法

🔒 第1章:なぜ「オフラインAI」が医療現場で重要なのか

1-1. クラウドAI(ChatGPTなど)の問題点

⚠ 重大なリスク:

ChatGPT等のクラウドサービスは、入力内容がインターネット経由で外部サーバーに送信されます。

これは個人情報保護法第27条(安全管理措置)に抵触する可能性があります。

具体例:こんな使い方は完全NG

❌ 危険な例

【ChatGPTに入力】 「70歳男性、脳梗塞後の左片麻痺。 患者名は山田太郎さん。ADL訓練のプログラムを作って」 → 患者の実名と病状が米国OpenAI社のサーバーに保存される → 個人情報保護法違反のリスク

✅ 安全な例(オフラインAI)

【Ollama(ローカルPC内)に入力】 「70代男性、脳梗塞後の左片麻痺。ADL訓練のプログラムを作って」 → 全データがPC内だけで処理される → インターネットに一切送信されない → 個人情報保護法に完全準拠

1-2. オフラインAI(Ollama)の3大メリット

メリット 詳細
🔒 完全プライバシー保護 データは自分のPC内だけで処理。外部サーバーに一切送信されない
💰 完全無料 月額料金なし。何回使っても0円(電気代のみ)
🌐 ネット不要 インターネット接続不要で動作。病院内の閉鎖ネットワークでもOK

⚙️ 第2章:Ollamaの導入方法(初心者向け完全ガイド)

2-1. 必要なPCスペック

項目 推奨スペック 最小スペック
OS Windows 10/11, macOS 12+, Linux Windows 10以上
メモリ(RAM) 16GB 8GB
ストレージ 20GB以上の空き容量 10GB以上
CPU Intel Core i5以上 / Apple M1以上 Intel Core i3

💡 ポイント:

ノートPCでもOK!職場のPCでも家のPCでも導入可能です。

2-2. Ollamaインストール手順(10分で完了)

1

公式サイトにアクセス

https://ollama.ai を開く

2

OSに合わせてダウンロード

  • Windows: 「Download for Windows」をクリック
  • macOS: 「Download for macOS」をクリック
3

インストール実行

ダウンロードしたファイルをダブルクリックして指示に従う

4

インストール確認

Windows: スタートメニューから「コマンドプロンプト」を開く

macOS: Spotlightから「ターミナル」を開く

ollama –version

バージョン番号が表示されればOK!

2-3. AIモデルのダウンロード(10分)

Ollamaは「モデル」をダウンロードして初めて使えます。作業療法用には以下を推奨:

推奨モデル:Llama 3.1(8Bパラメータ)

ollama pull llama3.1:8b

理由:

  • Meta(旧Facebook)開発の高性能モデル
  • 医療・専門用語の理解に優れている
  • メモリ8GBのPCでも快適に動作

💡 軽量版も用意されています:

# メモリ4GBでも動作する軽量版 ollama pull llama3.2:3b # さらに軽量(メモリ2GB程度) ollama pull phi3:mini

💼 第3章:実践!作業療法プログラム作成の自動化

3-1. 基本的な使い方

ターミナル/コマンドプロンプトで以下を実行:

ollama run llama3.1:8b

すると、AIとの対話モードが起動します:

>>> (ここに質問を入力)

3-2. 【実例1】基本動作訓練プログラムの生成

入力例(プロンプト):

「70代男性、脳梗塞後2週間。 左片麻痺(Brunnstrom Stage: 上肢III、手指II、下肢IV)。 起き上がり・立ち上がり動作に介助が必要。 病棟でのADL訓練プログラムを作って。」

出力例(AIの回答):

【基本動作訓練プログラム】 ■ 目標 ・自力での起き上がり動作獲得 ・見守りでの立ち上がり動作獲得 ■ プログラム内容(20分/回、週5回) 1. 準備運動(5分) – 座位での体幹回旋運動 – 非麻痺側上肢でのリーチング 2. 起き上がり訓練(10分) – 側臥位→肘立ち→座位への移行 – 環境設定:ベッド柵を使用 – 段階:介助→軽介助→見守り 3. 立ち上がり訓練(5分) – 座位→立位への移行 – 環境設定:手すり使用 – 重心移動の練習 ■ 注意事項 – 血圧モニタリング必須 – めまい・ふらつき出現時は中止 – 疲労度に応じて時間調整 ■ 評価指標 – FIM(運動項目) – 起き上がり・立ち上がりの介助量

3-3. 【実例2】上肢機能訓練プログラム

入力例:

「60代女性、橈骨遠位端骨折術後4週間。 手指の巧緻性低下あり。 日常生活で箸・ボタン操作が困難。 自宅復帰に向けた上肢機能訓練プログラムを作って。」

出力例:

【上肢機能訓練プログラム(巧緻性向上)】 ■ 目標 ・箸操作の自立 ・ボタンかけ動作の獲得 ■ プログラム内容(30分/回、週3回) 1. 準備運動(5分) – 手指の他動・自動ROM訓練 – グーパー運動(20回×3セット) 2. 巧緻性訓練(15分) ① ペグボード課題(10分) – 小さなペグを穴に入れる – 目標:30個/分 ② ビーズ紐通し(5分) – 直径5mmのビーズを使用 – 目標:10個/分 3. ADL応用訓練(10分) – 実際の箸を使った豆つかみ – ボタン付け・外し練習 – 硬貨の選別 ■ ホームプログラム – 洗濯ばさみ開閉(毎日10回) – 新聞紙を一枚ずつめくる練習 ■ 評価 – STEF(簡易上肢機能検査) – JTHFT(Jebsen Hand Function Test)

3-4. プロンプト作成のコツ

効果的なプロンプトの構成要素:

  • 年齢・性別(例:70代男性)
  • 診断名(例:脳梗塞、大腿骨頸部骨折)
  • 発症時期/術後期間(例:2週間前、術後4週)
  • 現在の機能レベル(例:Brunnstrom Stage、FIM得点)
  • 目標設定(例:自宅復帰、職場復帰)
  • 環境因子(例:独居、家族同居、バリアフリー)

💡 プロンプトテンプレート

「[年齢・性別]、[診断名]、[発症時期]。 [現在の機能状態]。 [環境・目標]に向けた[訓練内容]のプログラムを作成して。」 例: 「80代女性、大腿骨頸部骨折術後3週間。 歩行器歩行は見守りレベル。 自宅復帰に向けたADL訓練プログラムを作成して。」

🔧 第4章:応用テクニック

4-1. Python連携で自動化レベルを上げる

Pythonを使うと、Ollamaをさらに効率的に活用できます。

【実例】Pythonスクリプトで自動プログラム生成

# ot_program_generator.py import ollama def generate_ot_program(patient_info): “””患者情報からリハプログラムを生成””” prompt = f””” 以下の患者情報に基づき、作業療法プログラムを作成してください。 {patient_info} プログラムには以下を含めてください: 1. 訓練目標 2. 具体的なプログラム内容(頻度・時間含む) 3. 注意事項 4. 評価指標 “”” response = ollama.chat( model=’llama3.1:8b’, messages=[{‘role’: ‘user’, ‘content’: prompt}] ) return response[‘message’][‘content’] # 使用例 patient_data = “”” 70代男性、脳梗塞後2週間 左片麻痺(Brunnstrom Stage: 上肢III、手指II、下肢IV) 起き上がり・立ち上がり動作に介助が必要 “”” program = generate_ot_program(patient_data) print(program)

💡 このスクリプトで可能になること:

  • 患者データを入力するだけで自動生成
  • 生成結果をテキストファイルに保存
  • 複数患者を一括処理

4-2. バッチ処理で複数患者を一気に処理

# batch_ot_program.py import ollama import pandas as pd # 患者リストをExcelから読み込み patients = pd.read_excel(“patient_list.xlsx”) results = [] for index, patient in patients.iterrows(): prompt = f””” {patient[‘age’]}歳{patient[‘gender’]}、{patient[‘diagnosis’]} {patient[‘condition’]} {patient[‘goal’]}のためのリハプログラムを作成 “”” response = ollama.chat( model=’llama3.1:8b’, messages=[{‘role’: ‘user’, ‘content’: prompt}] ) results.append({ ‘patient_id’: patient[‘id’], ‘program’: response[‘message’][‘content’] }) # 結果をExcelに出力 output = pd.DataFrame(results) output.to_excel(“ot_programs.xlsx”, index=False) print(“完了!全患者のプログラムを生成しました。”)

4-3. 評価レポート自動生成

プロンプト例:

「以下のFIM評価結果から、リハビリ進捗レポートを作成してください。 【評価データ】 – 評価時期: 入院時 → 2週間後 – FIM運動項目: 52点 → 68点 – FIM認知項目: 30点 → 32点 改善が見られた項目と、今後の課題をまとめてください。」

出力例:

【リハビリ進捗レポート】 ■ 評価期間 入院時 → 2週間後 ■ 総合評価 FIM合計: 82点 → 100点(+18点改善) ■ 改善が見られた項目 1. セルフケア領域 – 食事: 5点 → 7点(自立レベル向上) – 整容: 4点 → 6点 2. 移乗動作 – ベッド・椅子移乗: 4点 → 6点 – トイレ移乗: 3点 → 5点 ■ 課題領域 1. 認知項目の改善が軽微(+2点のみ) → 記憶訓練・注意機能訓練の強化が必要 2. 更衣動作(下半身) → 引き続き訓練継続 ■ 今後の方針 – ADL訓練の継続 – 高次脳機能訓練の追加 – 家族指導の実施

🔐 第5章:個人情報保護の実践

医療現場で守るべき3つの原則

原則1:完全匿名化

❌ NG例

患者名: 山田太郎

生年月日: 1950年5月10日

住所: 東京都〇〇区

✅ OK例

年代・性別: 70代男性

診断名: 脳梗塞

発症時期: 約2ヶ月前

原則2:データ保管期限

作成したプログラムファイルは30日後に自動削除する設定を推奨。

# auto_cleanup.py(自動削除スクリプト) import os import time def delete_old_files(folder, days=30): “””指定日数以上古いファイルを削除””” now = time.time() cutoff = now – (days * 86400) for filename in os.listdir(folder): filepath = os.path.join(folder, filename) if os.path.isfile(filepath): if os.path.getmtime(filepath) < cutoff: os.remove(filepath) print(f"削除: {filename}") delete_old_files("./ot_programs", days=30)

原則3:アクセス制限

ファイルを自分しか見られないように設定:

# macOS/Linux chmod 600 patient_info.txt # Windows PowerShell icacls patient_info.txt /inheritance:r /grant:r “$env:USERNAME:(R,W)”

❓ よくある質問(FAQ)

Q1: 本当に無料で使えるの?
A: はい、完全無料です。Ollamaもモデルもオープンソースで、月額料金は一切かかりません。必要なのは電気代のみです。
Q2: 精度は有料のChatGPTと比べてどう?
A: Llama 3.1(8Bパラメータ)は、ChatGPT-3.5と同等レベルの性能があります。医療専門用語の理解も十分です。ただし、最終的な臨床判断は必ず作業療法士が行ってください
Q3: PCのスペックが不安…
A: 以下の軽量モデルを試してください:
# メモリ4GBでも動作 ollama pull llama3.2:3b # さらに軽量(メモリ2GB程度) ollama pull phi3:mini
Q4: 生成されたプログラムをそのまま使っていい?
A: 絶対にダメです。AIはあくまで「提案」です。必ず以下を確認してください:
  • 患者の実際の状態と合っているか
  • リスク管理が適切か
  • 施設のプロトコルに準拠しているか
  • エビデンスが正しいか

AIは道具。最終責任は作業療法士にあります。

Q5: 他のスタッフと共有したい
A: 院内ネットワーク内で共有は可能ですが、以下に注意:
  • ファイル共有時も匿名化を徹底
  • アクセス権限を医療スタッフのみに制限
  • 外部持ち出し(USBメモリ等)は禁止

🎓 まとめ:AIは作業療法士の「時間を生み出すパートナー」

この方法で得られる3つのメリット

メリット 効果
⏱ 時間の創出 プログラム作成時間50%削減 → 患者との対話時間増加
🎯 個別性の向上 データに基づく最適な提案 → 患者満足度向上
🔒 安心・安全 完全オフライン → 個人情報保護法遵守

最も大切なこと

AIは作業療法士の代わりではなく、
時間を生み出すパートナーです

  • AIが提案 → 作業療法士が臨床判断
  • AIがデータ分析 → 作業療法士が人間的ケア
  • AIが効率化 → 作業療法士が専門性を発揮

技術を使いこなし、患者さんの「その人らしい生活」を実現する。
それが、これからの作業療法士の姿です。

🚀 今日から始める最短ルート

1. Ollamaをインストール(10分)

https://ollama.ai

2. モデルをダウンロード(10分)

ollama pull llama3.1:8b

3. テスト実行(5分)

記事内のコマンドをコピペして実行

4. 実践(翌日から)

1症例で試してみる

📊 まとめ

⏱ 所要時間合計: 25分
💰 コスト: 0円
🎁 得られるもの: 患者さんと向き合う時間

さあ、今日からAIと一緒に、
より良い作業療法を始めましょう!

この記事が、患者さんのために時間を使いたい
すべての作業療法士の助けになれば幸いです。

参考リンク:

📌 Ollama公式サイト: https://ollama.ai

📌 Llama 3.1モデル情報: Meta AI Blog

📌 個人情報保護委員会: https://www.ppc.go.jp/

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